COVID-19禍の中の学生フォーミュラ活動 ~年度替わりを挟んだここ半年の様子を聞いて回る。
日本大会でトップを競うレベルのチームでも…

一方、新型コロナウイルス感染者が集中・増加を続ける関東圏の、とくに都市部に拠点を置くチームの活動状況には厳しさが増している。

昨年の優勝、準優勝チームに活動状況を聞いた。

昨年2位の横浜国立大学(以下、仲間内の通称でもある「横国」と表記)は。現在も卒業研究に関わる学生以外の学生は入構が許されておらず、チームとしての活動はオンライン・ミーティングに留まっているという。

毎年、日本のチームの中ではシェイクダウンが早い横国だが今年は進度が遅く、実地の活動が休止になった3月時点では、マシンの“接地”もまだできていない状況だったとか。

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横浜国立大学チーム活動拠点で溶接・組立作業が進む2020年仕様の鋼管フレーム。国立大学はどこも大学側の認知・支援が薄いが、彼らも活動・車両組立の場所の確保から苦労している。(写真は同チーム提供)

チーム関係者は「おそらく(2020年マシンは)走らせずに2021年大会用は新規設計することになりそうですね」「このまま夏も作業再開できないなら、しようがないです」と話す。

他の関東圏の上位チームでも活動休止が続いており、千葉大学、芝浦工業大学、東海大学、茨城大学も同じような状況だとか。

そして昨年優勝を果たした名古屋工業大学は7月13日に活動再開を発表したが、中京地区の感染者増加の影響もあってか、7月28日に再度の活動休止を発表した。

すでに2021年大会に向けたチーム体制に移行しているものの、フレーム製作途中にある2020年マシンは引き続き製作し、アイテム評価に使う予定とのことだ。

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2019年日本大会で念願の総合優勝を手にした名古屋工業大学の現況。いったん活動を再開して、写真のように部品製作等を進めていたのだが…。実質的な活動、とくに「ものづくり」が停滞している苦しさは、多くのチームが味わっているところだ。(写真は同チーム提供)

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またこのチーム、中心的存在であったエースドライバーの卒業によって、変化の大きな世代交代のタイミングを迎えている。

「チームの半分以上が現在2年生で(ということは、昨年大会は加入してまだ間もない1年生だった)、大会までのプロセスを全て経験できていない」

「(彼らの)経験値アップを目的に2020年車両の製作を続け、走行も予定している」と話していたが、再度活動休止となった現状ではそれもなかなか難しいか…。

またその若いチームのモチベーション維持も課題で、大会中止に活動休止が続く現状では、強豪チームであっても士気の低下は避けられないようだ。

これまで上位チームの多くが、早い時期のシェイクダウンから実走試験を重ね、走行距離を増やすことで、速さと信頼性を確保しようとしてきたが、このままでは準備期間が減ることになりそうな2021年大会に向けては、そのパターンが通用しなくなりそうだ。